わたるんといっしょ


ああ、いても立ってもいられませんよね――


他人の苦痛まで背負いたくなってしまうんだ。


その彼女を呼んで、心強い味方を隣に置くことも躊躇ってしまう自分だけど。


「僕は、あなたみたいに生きてみたいから」


そうして、あなたよりも強い人でありたい。


無謀であっても、大それた勇気。何とかなると高を括ったにせよ、いても立ってもいられない。


純朴となった少年が麓へたどり着く。


「――、ほしぃ」


そのタイミングを見計らったかのように現れた異形には、“やはり来て良かった”とさえも思った。


「ずっと、いたんですね」


網を張っていたとも言えよう。どうあっても、春夏秋冬家にたどり着けないものだから、異形はこの辺りをうろつくしかなかった。


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