わたるんといっしょ


「僕で、良かった」



――先生やあの人が来る前で良かった。


ここらに網を張っていたのならば、必ず他の人に害を及ぼすのだからと――火の粉が飛び火しないことに渉は安堵した。


この異形が狙うのは自分。


僕のことなのに、周りに迷惑なんかかけたくない。


「何が、欲しいんですか」


与えなければ、一生まとわりつく呪詛に問う。


「ほしいぃ、ほしい」


しかして、異形はその言葉しか使えぬのか。昼間と違った“足音”を鳴らしながら、渉に近づいた。


たん、たん。
と懐中電灯に照らされたそれは、一本足で飛んでいた。


ホッピングという遊具を思い出す。棒状のもので空気の圧縮により、上下に飛びながら移動する遊具。


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