わたるんといっしょ


冬月の辛辣さは知っていたが、こんな藪から棒にあるものではなかった。


渉――果てはテレサとて、おかしいと思えど。


『わ、私こそがマスターの一番手なのだ!他の者などに、マスターを守れるわけがないっ!』


叫ぶ彼女に、おかしいと気づける余裕はなかった。


戯言だと吐き捨てられずに、真っ向から相手してしまったのは。


「滑稽やねぇ。図星さされて、怒鳴るんやもの」


『貴様ああぁっ!』


図星を、認めたくなかったから。


振り下げられた片手剣。2mは越えよう彼女の剣であれば、凡人にとっては巨石相応。一刀両断の一手であろうが。


「でしゃばるんやない、雑魚」


事も無げに受け止めた冬月には、馬鹿なと言いたくなった。


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