わたるんといっしょ


「ダメダメやわぁ、あんさん。弱い、僕なんかに負けるほど弱いやなんて――ああ、よくもまあ、似合わないもん持っとるねぇ」


笑みのままたる狐面の下が、更に笑うような声。


何を暗示するかなど分かってしまい。刃が“ミシリ”としたのを感じて、ブリュンは恐怖した。


身をすくめる怖気。

思考を鷲掴みにされてしまったかのように、意識が暗転する。


瞬きほどの間。


彼女の強さを担う剣が、砕けた。


「消えろ、雑魚」


どんな手を使っただなんて考える間もなく、冬月の刀がブリュンヒルデの鎧を裂く。


鉄をも切れる刀は珍しくなどないが、テレサの補助により強度が上がっているこの鎧に傷をつけられたのと同時に。


「ブリュン、戻って!」


パートナーの危機を回避すべく、テレサは鎧の君を帰還させた。


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