わたるんといっしょ


『マスター!』


まだ自分は戦えると躍起になるようなブリュンであったが、剣を砕かれ傷ついた身では、どう見積もって自棄としか思えない。


走為上(そういじょう)の策であるとブリュンも割りきってくれればいいが、この撤退は苦渋を呑むしかない。


「あなたは、弱くなどない!私にとって唯一無二の強者なのだから……!あなたは、これからもっと強くなる!」


『――、はい』


沈鬱とした赤い鎧が透ける。闇の帳と混じり消えた赤い鎧は、テレサがパートナーで良かったと頷いたようであった。


「やかましい、年増やねぇ。弱いもんに弱い言うて、何が悪いん?」


「……、道徳の授業の時間かしからね」


小学生レベルのと杖を構えたテレサに、渉は口を入れた。


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