わたるんといっしょ


「“恐怖”も行きすぎれば、ムカつくだけなんだよ、クソッタレ。俺をこけにしたいんなら、生まれ変わって出直してきな。――なんて」


黒い陽炎が霞む。
藤馬の指に貫かれた眼球さえも形を崩したかと思えば――一羽の猛禽が、ぼとりと地に落ちた。


「ムカつくてめえの来世すら、俺が摘んでやるよ」


ぐったりと横たわる猛禽を、ぽっくり下駄で踏み潰す。


「シシッ、修羅道にでも落としてやるよっ!あそこにゃ、恐怖とは無縁の奴らばっかしかいねえから、ああ、てめえ、いいボコられ要員じゃん!

地獄よりもひでえぞ。謝りてえんなら今の内、つっても、許してあげないけどねー!」


だから落としてやると、踏み鳴らされた下駄の下で猛禽が断末魔を上げた。


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