わたるんといっしょ
「ほんと、分かってねえな、お前は」
「――、ああ。『ありがとう』ですよね、こんな時は」
「潰すぞ」
「それとも、家族なんだから礼は不要とか?」
「マジ潰すわ」
頭を圧する手で、首が縮みそうになるも、「ごめんなさい」と言えば離してはもらえた。
「さっきのあれ、何だったんですか」
首を撫でつつ、問えば、藤馬はどうでも良さそうに言う。
「魔縁(まえん)っつー、地獄の化けもんだよ。――ったく、彼岸近づくと、ああいうおのぼりばっか来るから、うぜえのなんの。彼岸に帰るのは、先祖の霊だけで良いっつーのに」
やだやだ、と嫌悪感丸出しの藤馬だった。
「魔縁……、じゃあ、“アレ”は」
「“本物”じゃねえよ。魔縁は、狙った獲物の恐怖を真似るだけの雑魚だ」
化かされてんなとの下りは、これに繋がるのか。