わたるんといっしょ
渉の突拍子ない言葉に藤馬は「はあ?」と言うが、構わず、自分で答えを見つけ出す。
朝は四本、昼は二本、夜は三本。
答えは人間なのだろうが、阿行が『お化け』というものだから、『そんなものがいたら』と考えていた自分がいたんだ。
「また変なところに焦点をあてて……」
それだけ、渉が恐怖する箇所が見つけられなかったのか。――ああ、そうだろう。
「僕には、藤馬さんがついていますからね」
助けてくれる家族がいるからこそ、滅多なことでは怖がらない。
なに一人で呟いてんだかと言いつつ、藤馬は渉にある物を投げつけた。
腹部に命中したそれは、手のひらサイズの。
「携帯電話……」
「奥さまが、ガキのケータイ繋がらねえ騒ぎなんだよ」
どうしてこれを藤馬さんがと聞かずとも、当の人は愚痴を溢すように答えた。