わたるんといっしょ
――どうして、『自縄』だと?
包帯の下はどうあっても見透かせない。
しめ縄の痕があるのは当たりであるものの、普通、首に包帯となれば『自傷』と思わないのか。
リストカット、アームカット等が広まるならばなおのこと、自殺志願者は『自傷』(切傷)を作るとの固定概念が生まれてもいいし。
第一、首吊って生き残れる者などごく僅かであろう。
それらを無視して、はっきりと渉のしめ縄(痣)を当ててきた、眠たそうな眼は、いったい、“何を見ているのか”。
そこを疑問に思ったのは言葉にしてからだが、男は渉の言い分を聞くなり、刃と共に手を離した。
「え、えぇ?自分で首吊りしたわけではないのですかっ」
まさかと焦る男。話は通じるらしく、ここは何と切り返すべきか考えていれば。