わたるんといっしょ
(三)
「さあさあ、お好きなモノを頼んでくださいねぇ」
言いながら、ファミレスのメニュー表を差し出してくる川堀だった。
受け取りはする渉だが、会ったばかりの人に奢ってもらうのは気が引ける。
ここは無難に飲み物。ホットココアでいいかとメニュー表を見ていれば。
「ワタシはねー。これちょ、これちょ、これちょ、あっ、ここからここまで、たべちゃいっ!」
机の上に出てきたピクシーを、咄嗟に手で隠すが、人気もない一番奥の席のため、誰かに見られるわけもないかと、焦りを拭う。
「『これ』は一人二回までにしてくれると助かりますねぇ。いやぁ、私もそうお金持ちならばいいんですがねぇ」
面目ないと苦笑する川堀には、とんでもないと言いたくなる。