わたるんといっしょ


言葉を区切ったのは勿体ぶるわけでなく、店員が料理を持ってきたからだった。


カルボナーラと、プリンアラモード。


伝票が置かれたところで。


「“人殺しの死神”として、そんな、私の悪名が、五十鈴嬢にも伝わっているかもしれませんねぇ」


スプーンは使わない派なのか、フォークのみでカルボナーラを絡めとる川堀からは、とてもじゃないが、悪名とは正反対に思えた。


「出会ったとき、僕を自殺志願者だと……」


しかしながら、前科あり。未遂ながらも、危うく命を奪われた身では、呑気なことは言ってられない。


ただ正直、まさかと思う。


虫も殺さないような顔よろしく、出会い頭の生殺与奪とて、何かの冗談にも思えたが。


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