わたるんといっしょ
指を組んで出来上がった拳を、額に押しつける川堀は、何を思い出しているのか。
沈鬱ながらも、どこか奮えているような“信念”さえも、感じてしまう。
「幼い身で絶命した者、皆から愛されていた者、夢がために努力してきた者。――『なんで、あの人が』と惜しまれる命が事切れる時を、私は何度も見てきた。
『死にたくない』と泣きわめく方々もまた然り。故に――そんな方々と同じ命を持ちながら、自縄をするような輩に憤りを感じたのです」
ピクシーには理解できない話らしく、渉に何か言おうとしたが、少しだけ待ってと、プリンを与えた。
「方々それぞれの自殺理由があろうとも、大半は、“自殺の真似事”なのですよ。『なるべく痛くないように』だなんて、必ず死なないやり方でしか、彼らは死なないし、実際、死ねない。
死地から身を投げたところで、やっと自身の命の大切さを知る者だっている。
その時、彼らは何と言うと思いますか?」