わたるんといっしょ


「それで、川堀さんは、死神を辞めて」


「いえ。生憎と、それが“一回目”です」


バレなければ、と言った言葉を思い出す。


「その日から――その日が死神(私)の節目でもあったか、死に損ないの自殺志願者を見るなりに、手を出すようになってしまいました。切腹の介錯、だなんて仁義あるような言い方はしたくありませんが、生きて苦しむようならば、ばっさりしてあげた方がいいのですよ。

『死にたくない』だなんて、不条理を並べようが、自殺志願者は“繰り返す”。皆が皆とは言いませんが、命の重要性を、“死に間際”でしか分からないよう、“ただ生きていれば、彼らは死にたくなる”。

なれば、今世の命を軽視するならば、来世で生を謳歌するべきだとも思いましてねぇ。二十ほど続けたところで、とうとう、私の重罪が上に知れ渡りました」


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