わたるんといっしょ
「軽蔑、しますか?」
「はい」
間違いだと気づきながらも、己の憎悪で刃を握る悲しい人に。
「手厳しい少年ですねぇ。いやぁ、誰彼に嫌われようが慣れているんですがねぇ。あなたには、そう思われたくないと感じてしまう。――聞きそびれましたが、少年と五十鈴嬢のご関係は?」
「僕の恩人であり、大切な家族です」
「家族……、家族。あぁ、“だから”です、か」
感慨深げな息を漏らし、まじまじと渉を見る川堀。
目がかち合うわけだが、川堀のこの血色が悪い顔は、憔悴しきっているのではないかと思う。
死神時代から。
見たくもない人の死に関わり続けてしまって、心が摩耗している。
間違っていると思いながらも、抑えきれない憤りと付き合い続けてきた川堀自身が、実のところ――“一番に死にがっている”のではないのかと感じる。