わたるんといっしょ


身勝手違いない。
でも、許せなかったんだ。


とんだ言い訳。
しかして、動機には十分なんだ。


自殺の真似事、自殺遊び、命の軽視。そんなことをする奴らに憤りを感じて――“彼女が救いたいと願う命を持つくせして、死にたがるから”、嫌なんだ。


「パパっ」


我に返ったのは、幼子の叫びによって。


宙を飛び、渉を追うピクシーだが――渉の言葉を思い出したんだろう。


言うことを聞く良い子にしても、見えなくなった背中への不安感は拭えていない。


約束破ってでも行く、というあたりで、川堀が再度、妖精を塀に座らせた。


「私が行きます」


行かせてほしい。
ピクシーの返事を待たずして、彼を追う。


自分を馬鹿という、あの方によく似たお人好しを。


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