わたるんといっしょ


(五―ニ)


『私は、お節介だ』


そんな五十鈴さんの言葉を思い出す。


走りながら苦笑という器用な真似が出来たのも、僕はきっと、『五十鈴さん似』なんだな、と思ったから。


藤馬さんがいれば、『似なくていいとこ似やがって』と悪態つきそうだけど、僕は、砂糖コーティングされた頭が丁度いい。


自己犠牲はいけないと何度も言われた。僕が傷つけば誰かも傷つくと――あの呪いあったとき、傷つかない身では分かりにくかったけど、痛いのは痛い。


こんな当たり前の法則があるからこそ、人が転ぶのだって、黙って見ていられないんだ。


困っている人もまた然り。五十鈴さんが自己嫌悪してしまう性格と同じなんだろうけど、欠点だなんて思わない。


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