わたるんといっしょ
間違ったことをしていると、思わないから。
「な、なんだ、お前っ。く、来るな!」
そうやって拒絶されても、危ないことしている人は、見過ごせませんので。
「やめましょうよ」
月並みな台詞しか言えない僕だけど、何としてでも、この人を止めたかった。
五階とあってか、風がよく通る。寒さに鳥肌を立たせつつ、男性を刺激しないよう、足音も憚って歩を進めた。
「落ちたら痛いし、死んだらより酷いんですよ」
「は、はあ!?が、ガキが、いっちょ前に、救世主気取りかよっ。帰れっ、大人の事情もしらないガキなんざ、お呼びじゃねえんだよっ」
片手にスマフォを持ったまま、喚き散らす男性。こちらはかなり間合いを詰めたが、身投げしようと飛び降りるわけではなし。