わたるんといっしょ
――僕とは、まったく違う。
「少年、こちらへ来なさい。その男は、どうせ身投げなどしない」
『死なない』とあえて言わなかった川堀さんの心意を知る。
「落とす、つもりなんですか……」
声が震えてしまい、川堀さんの顔を直視出来なくなった。
死に損ないの介錯。ここで存命しても、“どうせ繰り返す”から。
「自殺の真似事をするその重みを軽く見たツケですよ。私は、最初から、“これがしたかった”」
じりじりと男性ににじり寄る足。男性がひきつった悲鳴をあげたとなれば、今の川堀さんは、“人殺しの死神”としての顔をしているのだろう。
あるのは、憤り。
自殺志願者の本気さによって介錯してくれる者とは、『待ち望んでいた』となるか。