わたるんといっしょ


我がことながらに、ここまで騒ぎ立てるのも珍しい。


落ちた際に収縮した心臓が、一気に早まるよう。怖いだなんて思ってないと思いきや、実際には、早鐘となる心臓が語るようだった。


『痛い目を見た方がいい』という藤馬さんの言葉を思い出す。


ああ、本当に。
一度落ちれば、二度目も造作ないと思ったが、『自愛』しなければいけなくなった今は前と違う。


自分を大切にし、命を愛す。案外、難しいことだけど。


「パパ、けぎゃない!?いちゃいいちゃいじゃないのっ。とんでけーって、ちゅる?」


「ああ、丈夫な私はともかくとして、少年は無傷ですか」


そんな、僕が傷つけば、心配してくれる人がいるから。


「大丈夫ですよ。皆さんがいるから」


皆さんが好きでいてくれる僕を、ないがしろにしちゃいけないんだ。


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