わたるんといっしょ
「わたるんはんの優しさお人好しさは重々承知。ほなら、わたるはんが危ないことに首突っ込むのも予想の範囲。僕はわたるんはんを守りたい、けど首輪つけるわけにもいかん愛し人なさかい――束縛させてくれないなら、せめて好きにさせてよ」
「ふゆ、つき、く……」
「分かってますわぁ、わたるんはんが僕だけを見てくれないのは。みんなが大好き、やもんねぇ。
考えただけで、吐きたくなってくる。わたるんはんの大事なもんぜーんぶ切れば――“僕だけ”になれば、僕だけを見てくれるようになるかと思うのに、できひんのは、わたるんはんが泣いてしまうって分かるから」
項垂れる体。泣いているのは冬月だったか。あやそうと渉は冬月の体に手を回そうとすれば。