わたるんといっしょ
「つぅ……!」
「犬っち!」
さすがの阿行も焦る出来事。小柄な体を抱いて、涙声で犬童の名を呼んだ。
「苺ちゃん、阿行さん!」
止めを刺そうと近づく生徒を押さえる親衛隊メンバーだが、揉み合っている内に敵の数は増えていく。
「ちぃ……!てめえのせいで、オレの柔肌に傷がっ」
「い、犬っち、ち、血が、い、いっぱい」
「股に突っ込まれているわけでもねえのに、ラリってんじゃねえよ……!うぜえからてめえはどっか行け!」
阿行の手を振り払い、バッド片手に立ち上がる犬童。
よろめく体は存分に戦えるわけがないのに、犬童は歯を噛み締めて倒れることはなかった。
「『洗脳された生徒に回される』設定だなんて胸くそわりぃ!行け、牛女!ここはオレが――」