わたるんといっしょ


にぃと引き伸ばされた口は、狐面よりも妖しく笑う。


「“否定したのは、そっちやろ”」


「――」


瞬間、汚泥がはぜるように宙を飛び交った。


「認められない、存在を否定される。なら、あんさんは誰かを“認めたか”?来る奴みんなが己を否定するって、あんさんも相手を否定したんと違う?

わたるんはんだけやない、この天神学園は甘ちゃんがたくさんやからきっと、あんさんと友達になりたいやつがおった言うのに――そんな気持ちを否定したあんさんが、なに今更ぁ、正義を語るん?」


「だま……!」


「そうしたあんさんが唯一“認めたもん”が――初めてのお友達が“これ”やなんて、憐れどすなぁ、辻神」


溝の匂い。
辻神が己の体に住まわせ、己が正義がために使う物は、容認(みとめ)なければ行動を共に出来ないだろう。


< 415 / 454 >

この作品をシェア

pagetop