わたるんといっしょ


「なんで、“黙ってたんだ”?」


え、と渉が思う間もなく、犬童が手帳を引ったくる。


突飛な行動に呆然とした渉であったが、“先ほど渉が見ていたページを読む犬童”を見てしまえば、青ざめる。


「見ちゃ駄目です!」


「うっせ!触んな、暴漢!」


正に暴漢相手の拳を渉の腹に決め込み、その間に犬童は手帳を読む。――声に出し、はっきりと。



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