わたるんといっしょ


言わずもがなか、犬童から手帳を奪い返すも遅い。「なんてことを」、と怒るような渉にこそ――犬童はキレてみせた。


飛び付き、押し倒し、襟元を掴み、畳に頭を打ち付ける。


「質問答えろや、なんで黙ってた?」


小柄ながらも鷹のような眼光は威圧感を付属させる。


「……」


「怪異相手にやばいってんなら、あのイカれた狐面あたりに言えばいいんじゃねえのかよ、ええ、違うか?」


質問などしなくとも、黙する渉が何を考えているかなど分かりきっていた。けれども、改めて聞きたい。


「“みんなを巻き込みたくない”って、英雄気取りで全部背負いたいってか!今時、主人公一人でクリアーするゲームもねえってのに、流行るかよ、ボンクラ!

『助けて』ぐらい素直に言え、“言っても無駄とか思ってんじゃねえぞ”!」


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