わたるんといっしょ
死んだように横たわる風車を手にしたのは――
「お守り代わりと言ったら、藤馬さんに笑われちゃいますね」
『悪いモノ』を寄せ付けないがための風車は、春夏秋冬家(土地)に対して効果を発揮するものであり、渉(個人)のために作られた物ではない。
作った張本人が渉のためにすることなどしない。――けれども渉は。
「一週間に一回以上は必ず来るくせに」
そんな待ち人が明日に訪れ、また安心してお茶が飲めるように――
渉は、目を瞑った。犬童には悪いが、“落とし前は僕がつけたい”。
「友達を大事にしたいのは、僕だっておんなじなんだ」
また犬童から怒りの鉄拳受けようが、考えは変わらない。
目を開けた。
春夏秋冬家の風景――けれども、足りない。