わたるんといっしょ


どこにも行けなくなるとはそんなこと。


終わらない夢を見続ける果てにあるのは、同化。夢の中の風景になってしまえば、もはや――現実(ここ)には、帰って来れなくなる。


「都市伝説の話?」


「似て非なると言うべきか、何にせよ、僕にはどうすることもできませんから」


過程を書くことしかできない少年が肩を落とす。まるで、その事実を悲しむように。


「覚えておくこと、ぐらいはしたいんですよ。“悪い”ですから」


耳の冷たさを誤魔化すように、指で摩擦する渉には、相変わらずハテナを浮かべるしかなかった。


――ほんと、不思議だよねぇ。


理解するにはまだまだ先だと、好美は川の流れに耳を傾けた。


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