わたるんといっしょ
「アたしは、醜イか?」
呻くような声が耳に入り、体温が一気に下がった。
「ぁ……」
寒いのに、汗が吹き出す。不整脈を起こしたかのように、心臓が早鐘となった。
気を失ってもいい恐怖。擦りきれた神経は残り一本、またあの声を聞けば、その糸も切れることだろう。
「僕は、“いじめられたとは思っていない”」
だからこそ、渉の行為が異常に思えた。
「ならば、万策尽きた。僕はあなたへの対処法を持ち合わせていませんよ」
獣の檻に自ら足を踏み入れるような愚行。
――ちょう、はつ。
しているんだと、好美は足から震えた。
対処法を持たない、その無防備をわざと露呈させて、襲えと言うような。