わたるんといっしょ


「なん、で……」


誰も助けてくれないんだ、と少女――好美は膝を折った。


座るつもりはなかったが、蓄積する疲労と絶望により、金切り声をあげる体がドクターストップをかけてくる。


四つん這いになり、頭を垂れた。土下座のようなその姿勢で、好美は喉を痛ませる。


「助け、て……っ」


懇願する痛ましい少女に、手を差し伸べるものはいなかった。


「誰か、ぁ……」


――このままじゃ、渉くんが!


自分では助けられないから、誰かを求めた。


もっとも、ひきこさんに連れていかれたと信じる奴などいないだろうが、少女の助けを無視する奴もいないはず。


「なん、でぇ……」


だからこそ、誰もいないことが異常に思えた。


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