宇宙人とストーカーと私
王子だ。
異国の王子がやってきた。
おそらく教室中の生徒がそう思っただろう。
痛むという言葉を知らないサラサラの金髪をなびかせ、颯爽と教卓の真ん中に躍り出た彼を形容するなら、正しく“王子”だ。
途端に我に返った女子たちが騒ぎ出す。
え、めっちゃかっこよくない!?
やばー!あたし今日すっぴんなんだけどー!
わかってたらもっと気合入れて髪巻いてきたのにー!
一部の目立つ女子なんか、その場でメイクを直し始めてる。
人の化ける姿など見たくないし、じろじろ見てるとなんか怒られそうだからすぐに前に意識を戻した。