宇宙人とストーカーと私
「…ねぇ、彼方」
「なに?姫」
「毎朝言ってると思うんだけど、人の部屋に勝手に侵入するのやめて」
「僕のために毎回姫をわざわざ起こすなんてできないよ!」
「いや、起こさなくていいから。勝手に入って勝手に部屋を物色して出ていくのをやめてほしいと言ってるんです」
「ぶ、物色?僕そんなことしてないよ」
「嘘つくな。ほら、今日持っていったものをさっさと出せ」
そう言うと、彼は途端に視線を彷徨わせ明らかに取り繕うような笑みを浮かべた。
ちなみに今まで部屋から誘拐されたものは、ボールペンや消しゴムなどの文房具類からパンツなんていう危ない物まで様々だ。
さて、今日は何を持ち出したのか…
物を失くすっていうのは地味に不便だから、そろそろ本気でやめてほしいんだけどなぁ。