宇宙人とストーカーと私



それからしばらく彼方は渋っていたが、私が本気で迷惑していることを告げると慌てた様子でカバンを開いた。


ふむ、今日はいつもより持ち出していない様子。


5月のだんだんと日差しが強くなってきた季節にはまだ用のない、赤いマフラー。


お泊りのときに使う歯磨きセット。


それと、私がよく学校に持っていっているタオルハンカチ。


ハンカチはわかりやすい場所にあるけど、それ以外は割と棚の奥とかにしまってあったはず…


マフラーなんてクローゼットの奥底に眠っていたと思うんだけど。


どうやら今回は量より質ということで使用頻度の高いものを選んだらしい。



「ウザい」


「うっ」


「きしょい」


「あぐっ」


「キモチワルイ」


「あぁあぁぁあああぁああ、ごめんなさいぃぃぃ!」



その場にうずくまって土下座をする彼方。



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