宇宙人とストーカーと私



あーあー、鼻ぐずぐず言わせてるし。


コイツ本当にイケメンか?どうにも集団暗示にかかっている感が否めない。



「ありがどう、びめ。ごんなぼぐを好ぎでいでぐれで…」


「おい、誰が誰を好きだって?ていうか安心していいよ」



そこで私はにっこりと笑う。


そんな私を見て彼方も嬉しそうに微笑む。



「これ以上私の中であんたの評価は下がることができないほど底辺にあるから」



吐き捨てるように言い、ずり落ちたカバンを持ち直して足早にその場を去る。


だってあのままでいたら遅刻決定だし。


視界の端には電信柱の影にしゃがみ込む奴が映っているが、まぁシカトでいいや。


盗品も回収できたし、今日も一日普通にがんばろう。



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