【完】運命は罠と共に
いつの間にか眠っていたらしい。
洋輔さんの隣にいるとすごくすごく安心する。
だからかな、いつもぐっすりと眠れる。
そしてこれもいつもの光景。
起きて一番に見えるのは、洋輔さんの胸元。
必ずといっていいいほど、私を腕の中に抱きしめて眠っている。
時々私の寝相が悪くて、微妙な距離だと攻撃を受けるかららしい。
「……んー。起きた?」
私が動いたのが分かったのか、洋輔さんも目を覚ましたみたいだった。
これだけ接してればさすがに分かるか。
「ごめんなさい。起こしました?」
「そろそろ起きなきゃだからな。それよりさ、そろそろ敬語やめて?必要ないから」
「……精進します」
「いや、もう今のダメだから。分かった?」
「……分かった。がんばる」
昨日やっと名前呼べたのに。敬語もダメなんて、どれだけ私に課題を与えるんだこの人は。
でも、洋輔さんとの距離が一気に近づいた気がした。