【完】運命は罠と共に
出かける準備は着々と(洋輔さんに邪魔されながら)進んで行った。


そして、洋輔さんの車で彼の祖父である中尾さんの家に向かった。




「ねぇ、本当にいいの?」


「だから、何が心配なわけ?」


何が心配かと言われても、自分でも良くわからない。


けれどなんだかもやもやとしたものがあるのは確かで、どう処理していいか分からない。


あえて言うなら……



「……私なんかでいいの?」


自分で聞いたものの、反応が怖い。


聞こえてきた溜め息に、不安感が増した。


「ほら、そんなに自分を卑下しない。俺は奈々が良くて、奈々だから家族にもちゃんと紹介したいからさ。奈々はさ、もっと自分に自信持てよ。最初はもっと自身に満ち溢れてるのかと思ってけど、実はコンプレックスの塊だもんな。そんな弱い部分も好きだけどね」


気付いてたんだ。


自信のある、弱みを見せない女を普段は演じている私。


でも本当はとても弱くて、劣等感も強い。


洋輔さんの前でもすべては出せてなかったと思うけど、ちゃんと気付いてくれていた。


それに弱さごと私を包み込んでくれることが本当に嬉しかった。


私が良い、だから紹介したい。


その言葉が、私のもやもやなんてすべて吹き飛ばしてくれた。
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