私を壊して そしてキスして

普通なら、少々無理強いしても彼を跡継ぎにしただろう。

だけど、彼の意志も尊重しその道に進んでほしいと思っている。
そしてなにより、そんな彼のことを認めている。

期待通りに進まなかった息子をそう評価するのは、簡単なことではないはずだ。


翔梧さんがきちんと他の誰かを評価するのは、このお二人に育てられたからかもしれない。


「おいしいです。本当に……」

「ありがとう、菜那さん」


心から。

ここにこうして座っていられることに感謝した。


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