バイナリー・ハート
 もしかしたら、研究内容は訊いてはいけない事だったかもしれない。
 しかしランシュは、あっさり教えてくれた。


「オレはロボット専門。そういう愛玩用から、専門作業用まで色々。ヒューマノイド・ロボットも設計したよ」

「あぁ、人間そっくりなロボット?」

「うん」


 以前ロイドと一緒に街に出た時、本屋で買った雑誌に載っていたロボットだ。
 写真でしか見た事ないが、とてもロボットとは思えないほど人間にそっくりだった。


「ロイドがヒューマノイド・ロボットはおもしろくないから作らないって言ってたけど、ランシュの方が上手に作れるからおもしろくないのかしら?」


 結衣が首を傾げると、ランシュはクスリと笑った。


「そんな事はないと思うよ。先生も作ろうと思えば作れるよ」
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