バイナリー・ハート
 ユイが出て行った後すぐに、ロイドは茶を飲み干し、コンピュータを落として部屋を出た。

 元々仕事をしていたわけではない。
 そのまま風呂に入り、寝室に向かった。

 部屋に入ると灯りは消えていて、ユイはベッドに入っていた。

 起こさないように、そっと隣に潜り込むと、ユイがこちらを向いた。
 目が開いている。


「悪い。起こしたか?」
「ううん。早かったのね。もう終わったの?」
「あぁ」


 曖昧に答えて、ロイドはユイを抱き寄せた。
 視線がぶつかり、ユイは嬉しそうに目を細める。


「ユイ、愛してる」


 静かに囁いて、ロイドは口づけた。
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