騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
本当、いろんな意味でのトラブルメーカーかもしれない。
「ジョン、ここはホームよ。もう少し静かにしなさい」
「これが静かにせずにはいられないんだって!」
「だから、静かにしなさいって言ってるでしょ!」
「Ouch!!」
思い切りジョンの足を踏むと、顔をしかめながら叫んだ。
普段、日本語でやり取りしてるから、久しぶりに聞いた。
ジョンがとっさに発した英語。
しかも久しぶりの英語が「Ouch」だなんて。
「音量下げて喋るから、もう踏まないでよ」
確かに静かにしなさいとは言ったけど……
そこまで声のトーン下げられると、ほとんど聞こえない。
よく耳を澄まさないと聞こえないくらいの音量で、ジョンは話を進めた。
「だからね、ようやく許可が下りたんだよ」
「許可?だから、何がよ」