騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
なかなか本題に入ってくれなくて、少しイライラしてくる。
ジョンのこういうところ、本当イライラする。
だからつい、口調がきつくなってしまう。
「この前、麻菜が言ってただろう?あの許可が上から下りたんだよ」
「えっ!?そうなの!?」
わたしが前に言ったことって言ったら、“あれ”しかないんだけど。
本当に?と一瞬舞い上がってしまった。
「すぐにこっちでも販売できるように送ってくれるみたいだよ」
「そっかぁ。よかった」
わたしの予想よりも早くの決定に驚きを隠せなかった。
さすが、向こうで一目置かれてるジョンだ……
「麻菜の提案だもんねー。だから僕、頑張っちゃったよー」
なんて言いながら、抱きついてこようとするジョン。
それをかわし、またかと溜息が漏れる。
ジョンって凄いのか凄くないのかよく分からなくなる……