騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~



次の日、家を整えてからジョンと約束していた調査に向かった。


整えるといっても、必要最低限の荷物しか持ってきていないから、それほど時間はかからなかったからよかったのだけれど。




「麻菜、まず何処に行く?」

「何処に行くって決まってるじゃない。STAR☆日本店よ」




何当たり前のこと聞いてるんだか、と思いながらわたしは街中の百貨店に向かってズンズン歩き出した。


「STAR☆日本店」は、名古屋の百貨店の中に入っていて、日本ではここだけだ。






「……着いた」



この百貨店の外装は全く変わっていなかった。


懐かしいなぁと思いながら中へと足を踏み入れると、外装とは違い内装はガラリと姿を変えていた。


「STAR☆日本店」があるのは、5階の紳士・婦人服売り場。




「本当にここだけ暇そうねぇ」

「あっちとは雲泥の差だなぁ」




わたしたちが働いていたアメリカ本社とは違って、ガランガラン状態。

お客様が一人、二人……ポツンポツンと店内にいるだけだ。






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