騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「店長が言ってたのってここ」
「へぇー、こんなところに居酒屋あったんですね」
やっぱり一人で来なくて正解だったかもと思った。
わたしだけだったら、確実に辿りつけてなかった。
中に入ると、もうすでに他の人たちは集まっていた。
「遅いぞー、二人ともー」
もうすでに店長は出来上がっているみたいだ。
えっと……ジョンとわたしの歓迎会だったはず。
一応わたしも主役の一人なんだけど……
何故かわたしが来る前に、始まっていたらしい。
「秀平ー、麻菜ちゃん。こっち空いてるわよ」
ひょいひょいっと手招きする幸さんの目の前に二人で座った。
仲森さんの隣、か……。
ここでもまたこうなっちゃうわけか。
これじゃあ、せっかく決めた決心が揺らいじゃうじゃない。
仲森さんの隣でわたしは、この胸の高鳴りを抑えられなかった。
どうしても気になってしまう。
もうこれ以上、好きにさせないで。
一緒にいればいるほど、好きになっちゃうの。