騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「そんなに見て、気になる?」
「い、いえっ。ぜ、全然!」
「ふーん」
わたしはジョンを見ていたのではなく、その周りにいるお姉さま方を見ていただけで。
別に言う必要もないかなと思って、このことは言わなかった。
そんなわたしたちの様子を、見ていたのは目の前にいる幸さん。
何故か面白いものを見るような目で見ていた。
「でも、大学時代は野球やってましたよー」
野球……
その言葉に反応してしまった。
仲森さんに気付かれたかもと思い、彼の方を見たのだけれど。
顔色一つ変えず、お酒に口をつけていた。
「あっ、そう言えば。仲森、お前も昔野球やってなかったか?」
店長の言葉に、わたしと仲森さんの動きが同時に止まった。
「………」
仲森さんは何も言わない。