騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「あとは目を覚ますのを待つだけですが……」
それからの先生の言葉は残酷なものだった。
もしかしたら、秀ちゃんにとって命を落とすより残酷な言葉だったかもしれない。
数日間、秀ちゃんは眠ったままだった。
秀ちゃんをひき逃げした犯人は、40代の男性だった。
しかもその人は、わたしをストーカーしていた人だと分かった。
わたしを殺そうとした理由は、わたしが全く相手してくれないからというもの。
そのストーカーのせいで、秀ちゃんは。
秀ちゃんは……
わたしのせいでこんな目に……
苦しくて苦しくて仕方がなかった。
目を覚ましたと連絡があったのは、1週間も後のことだった。
「秀ちゃん!」
病室を開けると、力ない姿の秀ちゃんがいた。
「麻菜……」