騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「秀ちゃん、ごめんね!わたしのせいでこんなことに……」
「麻菜のせいじゃないよ。麻菜に怪我がなくて本当に良かった」
秀ちゃんの言葉に涙が出そうになる。
「そうじゃないの。ひき逃げ犯、わたしのストーカーだったの」
「そっか。結構危ない奴だったんだな」
「だから……っ、だからね。わたしのせいで……っ」
「麻菜のせいじゃない。麻菜のせいじゃないから」
秀ちゃんはわたしが泣きやむまで、ずっと頭を撫でていてくれた。
「秀ちゃん、体は大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。俺、リハビリ頑張るから」
秀ちゃんの表情を見て、これは真実を知ってしまったんだと思った。
無理して笑ってる……
この前、先生が言ってた。
「命に別状はありませんが、左足をかなり負傷しています。リハビリしても歩けるようにはならないかもしれません」
プロ野球選手を目指している秀ちゃんにとって、キツイ言葉だった。