騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~



「秀ちゃん、ごめんね!わたしのせいでこんなことに……」

「麻菜のせいじゃないよ。麻菜に怪我がなくて本当に良かった」



秀ちゃんの言葉に涙が出そうになる。




「そうじゃないの。ひき逃げ犯、わたしのストーカーだったの」

「そっか。結構危ない奴だったんだな」


「だから……っ、だからね。わたしのせいで……っ」

「麻菜のせいじゃない。麻菜のせいじゃないから」



秀ちゃんはわたしが泣きやむまで、ずっと頭を撫でていてくれた。




「秀ちゃん、体は大丈夫なの?」

「大丈夫だよ。俺、リハビリ頑張るから」



秀ちゃんの表情を見て、これは真実を知ってしまったんだと思った。


無理して笑ってる……





この前、先生が言ってた。



「命に別状はありませんが、左足をかなり負傷しています。リハビリしても歩けるようにはならないかもしれません」


プロ野球選手を目指している秀ちゃんにとって、キツイ言葉だった。






< 151 / 519 >

この作品をシェア

pagetop