騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
歩けるようにはなっても、走ることは?
スポーツ……野球をすることは出来るの?
「うん!応援してるね!」
わたしはこう言ってあげることしか出来ない。
わたしのせいでこうなったのに、何もしてあげることが出来ないんだ。
それから、秀ちゃんはリハビリに精を出した。
「秀ちゃん、もう少しだよ!もう少し」
初めは順調にリハビリは進んでいった。
秀ちゃんも必死で、応援するわたしも必死だった。
その頃、メディアも再びある話題で賑わせていた。
それはもちろん秀ちゃんのことで。
「天才ピッチャーが足を負傷させた!プロ断念か?」
見出しに大きく取り上げられた。
そして、秀ちゃんの家にマスコミが多数押しかけるようになった。
何処に行っても取材取材で、おばさんもおじさんも精神的に追いやられていた。
わたしのせいで、おばさんたちにまで迷惑かけてしまっている。
そんな日々が数ヶ月続いた。