騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「ごめんごめん。麻菜ちゃんの瞳、綺麗だなって思って」
「え?瞳?そうですか?」
「うん。前から思ってたんだけどね。麻菜ちゃんの瞳ってブルーだよね」
少し顔を近づけて、じーっと見られた。
何だか……そこまで見られると恥ずかしいんだけど。
「えっと、わたし、ハーフなんです。父がアメリカ人で」
「へぇ、それでか。本当綺麗だよね。俺、その色好きだなぁ。吸い込まれそう」
「あ、ありがとうございます」
幼い頃は皆と色が違うというだけで、よく苛められていた。
そんな時、いつも助けてくれたのはあの人の言葉。
流川さん、同じ言葉を言わないでよ……
『麻菜ちゃんの目ってすっごく綺麗だね!僕、麻菜ちゃんの目好きだよ!』
料理が運ばれて来てからも、流川さんの攻撃は収まらなかった。