騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「今日本気で攻めた甲斐があったかな」
クスリと怪しげな笑みを浮かべた彼がそこにいた。
どうしよう……またドキドキしてる。
今日は、流川さんに振り回されてばかりだったかも。
流川さんといると、調子が狂ってしまう。
彼はデートの最後の最後まで、わたしをドキドキさせた。
「流川さん、今日はありがとうございました。とても楽しかったです」
「こちらこそ。俺もかなり楽しませてもらったし」
マンションの前で彼は車を止めてくれて、そこで短い会話を交わした。
「また誘ってもいい?麻菜ちゃんとデート、またしたい」
「え?あ、あの……」
「麻菜ちゃん、俺……」
気付いたら、車の中で流川さんに抱きしめられていた。
ドクン、ドクンと彼の鼓動がよく聞こえてくる。
「君のこと本気になりそう」