騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
流川さんの突然の告白に、足の歩みが止まってしまった。
流川さんが、わたしのことを……?
「麻菜ちゃんのこと、ずっと好きだったんだ……っていうか、今も好きかな」
「えっ、あの、その、流川さん、わ、わたし……」
「いいよ、何も言わなくて。麻菜ちゃんにはアイツがいるって分かってるから」
「……流川さん」
何か言わないと、と思っているのに。
何も言葉が出てこなかった。
「麻菜ちゃんのこと、まだ諦められなさそうなんだ」
切なそうな彼の声が耳に届いた。
「だから……もう少し、もう少しだけ……麻菜ちゃんのこと好きでいさせて」