騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
5.どういうこと?
———麻菜ちゃんのこと好きでいさせて
あの日から、流川さんの言葉が頭から離れなかった。
もしかしたら、秀ちゃんは浮気してるのかもしれない。
でも、わたしは秀ちゃんが好き。
だから、流川さんの気持ちには答えられない。
それなのに、あの時。
流川さんにはっきり自分の想いを伝えることができなかった。
わたしは何を迷っているのだろう。
「……はぁ」
こういう時に限って、困りごとというのは一気に訪れるものだ。
閉店後、今日は残業せずに帰ろうと思っていると。
少し真剣な表情のジョンに声をかけられた。