騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「麻菜ちゃん、最下位脱出してたね。おめでとう」
閉店後、トイレを済ませてスタッフルームに戻ろうとした時、
片手を軽く上げた流川さんに声をかけられた。
「あっ、流川さん……ありがとうございます」
流川さんとはこの前の告白のことがあるから、少し気まずい。
わたしの表情をすぐにくみ取った彼は、苦笑いを浮かべた。
「麻菜ちゃん、そんな顔しないでよ。すぐに取って食おうってわけじゃないんだから」
「えっ、あ、すみません」
謝ると、今度は悲しそうな表情を見せた。
わたしといる時の流川さん、よくこの表情してる……
「ほんと麻菜ちゃんといると調子狂うよ。君にこんな顔させるつもりはなかったんだけどね」