騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~



「麻菜ちゃん、最下位脱出してたね。おめでとう」


閉店後、トイレを済ませてスタッフルームに戻ろうとした時、

片手を軽く上げた流川さんに声をかけられた。



「あっ、流川さん……ありがとうございます」


流川さんとはこの前の告白のことがあるから、少し気まずい。

わたしの表情をすぐにくみ取った彼は、苦笑いを浮かべた。



「麻菜ちゃん、そんな顔しないでよ。すぐに取って食おうってわけじゃないんだから」

「えっ、あ、すみません」

謝ると、今度は悲しそうな表情を見せた。


わたしといる時の流川さん、よくこの表情してる……



「ほんと麻菜ちゃんといると調子狂うよ。君にこんな顔させるつもりはなかったんだけどね」





< 379 / 519 >

この作品をシェア

pagetop